フランスでの暮らし。

 フランスへ引っ越してきて早いもので5年が経ち、ようやくこちらの生活にも慣れてきたかなというところ(ここに至るまでが本当に長かった)。生活というか、まあ主に生活に関するあらゆること。フランス人のなにかにつけテキトーな考え方、やり方のせいで、なにもかもうまくいかず、事あるごとにつまずくこととか、言われた書類を出しても足りないと言われることとか、ストやデモで日常生活がうまくまわらないこととか…。私にはすべてが理不尽で非合理的。だったのが、今やそういうことにいちいちイライラしたり腹を立てたりしなくなり、ある程度は受け入れてうまく流せるようになってしまいました。ということは、もしかして日本ではもう通用しない人間になってしまったのかも??という新たな疑念も沸いてきていて…やばい、やばい。

 ここは日本人が「フランス」と聞いて思い浮かべるような、きらびやかで華やかなイメージからは程遠く、田舎で日本に比べるとはるかに不便な暮らし。そうそうパリまで出かけることもなく、もともとパリに用事もあまりないし(大使館に行くくらい?そもそも日帰りできない距離なので、頻繁に行くことができない)、そしてコロナがそれに拍車をかけ、すっかり足が遠のいてしまいました。

 さて、世の中にはコロナ鬱という言葉がありますが、意外とコロナでロックダウンの引きこもり生活が、私の落ち着きを取り戻したような気がしています。正直、こんなに気持ちが楽になったことはなかったです。そして今も、このコロナの状況下で、お互いに大人数で会うことは控えがちになり、お友達同士の集まりも回数が減り、あったとしても少人数で、やはりこれまで人に会いすぎた(ほとんど知らなかった人たちばかり)ことも私の精神疲労の原因だったと思います。日本で、そんなに人の家にお邪魔することもなかったですし。いちいち気を遣ってはくたびれていたのかも。

 さすがに年月を経て、少しずつ気の合う友人ができ、興味のあること、自分にもできそうなことも見つかり、地に足の着いた生活ができるようになってきました。家の中も、やっと使いやすく整えることができてきて、頭の中も整理されつつあるのかなという感じです。今は、このブログを始めて、さて、何を書こうか、ワクワクする気持ちもあります。もっと早く、時間の有り余っていたロックダウンの時に始めていればよかったかも?と自問自答することもあります。でもきっと、私にはそのタイミングじゃなかった、ということなのでしょうね。

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